相田みつを先生 ろうめつ染めと三代目泰彦

相田みつを作品というと「書のイメージ」が強い思いますが
実は、若き日の先生は「書」と一緒に「ろうけつ染め」の作品も手掛けておりました。

先生の一番古い作品である第一回相田みつを個展出品作品として
相田みつを美術館や冊子等でも掲載される若き日の写真で
先生の姿の後ろに掲げてある「茜雲(あかねぐも)」

これも初代女将 中川光子が購入したなか川所有の作品でありますが
これは実は「ろうけつ染め」の作品であります

このように若き日の先生は昭和41年までろうけつ染めの作品も
書と一緒に制作しておりました

3代目泰彦は子供の頃、絵や美術にとても興味のある小学生でした。

若き日の相田みつを先生は「一緒にやってみるか?」と子供時代の3代目泰彦と約束をし
後日「ろうけつ染め」の作り方を教わり一緒に「暖簾」を作ることになりました。

先生は、書では表すことの出来ない絵をろうけつ染めでは書いておりました。

特に「葉っぱ」「林」「森」「でんでん虫」「トンボ」「コガネ虫」「らくだ」などなど・・・
を描き文字も入れたろうけつ染めを作っていたので

3代目泰彦も先生を真似して可愛い「葉っぱ」の絵をかいて
先生の「み」という落款も真似して
泰彦ですので「や」という落款まで描かれた
「相田みつを風ろうけつ染め」を制作しております。

展示をすると相田みつを作品と全く違いが解らず
相田みつを作品だと勘違いして眺めていく人もいるくらいです。

この「相田みつを作品風のろうけつ染め」は、いまも現存して残っており、
「や」という可愛らしい落款の作品として
いまも大切な当時の想い出とともに大事に保管され語り継がれております。

3代目 泰彦が相田みつを先生と一緒に作ったろうけつ染め